今回は巷でG Master越えとの噂もされる中国製レンズViltlox 16mm f1.8をニュージーランドに持っていき南半球の星空を撮影してきましたので作例と供にその実力について見ていきます。なお筆者は自らで購入しており、レビュ依頼等は受けていません。また、本記事ではSONY FEマウント用のレンズで撮影した結果を基に記していますが、他のレンズとの比較をしているわけではないことをご承知おきください。
レンズの主な仕様は以下の通り。
- 焦点距離:16mm
- 絞り:f1.8~f22
- フィルタ径:77mm
- 重量:550g
- フルサイズ対応
- 防塵防滴仕様
- オートフォーカス有
- 最短撮影距離:0.27m
16mmという焦点距離は他のメーカーからは単焦点レンズとしてはあまり発売されていない焦点距離(14mmと20mmが多い)ですが天の川をダイナミックに撮りたい場合にはうってつけの画角です。また、一昔前までf2.8が主流でしたが、このレンズはf1.8と明るいのでシャッタースピードを短く出来たり、ISO感度を低く設定できたりと撮影の幅も広がります。フィルタ径は77mmと汎用的なサイズ。重量は軽くはないです。防塵防滴仕様とのことなので、夜露が発生することのある星空撮影にもある程度安心して使用できそうです。小型液晶が付いており、現在のフォーカス位置や、f値を確認することができ、暗い場所では非常に重宝します。
オートフォーカス対応レンズで、AF/MF切り替えスイッチもレンズ側に搭載されています。星空撮影の際は、多くの場合マニュアルフォーカスでピント合わせを行いますので、レンズ側にAF/MF切り替えスイッチがあるのは非常にうれしいポイントです。最短撮影距離は0.27mでそこそこ寄れます。デザイン面は、オレンジ色のロゴがダサいので、私は黒いテープを貼って使用しています。レンズ側にファンクションボタンが2つ備わっているのでカスタマイズ性も高いです。絞りのクリック感をON/OFFできるうえ、フォーカスブリージング(ピント位置を変えた時の画角の変化)も少ないので動画用としても使えそうです。耐久性は不明ですが、ビルドクオリティはしっかりしているので、すぐに壊れてしまいそうな印象は受けません。価格はSonyやSigma製の超広角単焦点レンズと比較すると半分以下なのでお財布に優しいですね。今日時点ではSONY FEマウントとNikon Zマウントが発売されています。
画質
本レンズとα7RⅡで撮影した作例とともに画質を見ていきます。すべてf1.8解放で撮っています。
全体を通して非常によく写っており、引きで見ている限り目立つ収差もありません。ただし、f1.8では周辺減光(上の作例は周辺減光無補正)が目立ちます。個人的には周辺減光は現像ソフトで補正できますし、そこまで気になりませんがf4まで絞ることでほぼ改善します。
次に収差の目立ちやすい最周辺部を拡大して見ていきます。上が左上でしたが右上の拡大です。
4200万画素の等倍で見ると、鳥が羽を広げたような非点収差が確認できますがf1.8解放ということを考えると非常に優秀です。このレベルであればA3程度に印刷しても気になりません。f2.8程度まで絞ると改善しますがそれでは従来の超広角レンズに対しあまり優位性が無くなってしまいます。このレベルであればぜひf1.8解放で使用したいところ。
以上の通り、特にレンズ性能が求められる星景写真においても十分に使用できるレンズであると言えます。
この記事に関連する機材
本記事の作例はすべてα7RⅡで撮っています。4200万画素裏面照射型センサで中古で10万円前後~購入できます。動画やAF性能こそ最新機種にかなわないものの星景写真をはじめとする風景写真には十分すぎる性能を持っています。個人的にはマップカメラ楽天市場店で中古1年保証をつけて購入するのがオススメ。