今回は写真初心者がつまずきがちな構図の考え方について、シェアしたいと思います。いいなと思う写真は構図がきちんと整理されていることがほとんどです。写真を撮る上で知っておいて損はないので、特に写真初心者の方にご覧頂ければと思います。
写真初心者がつまずきがちな構図の考え方
構図を考えるということは、自分自身が写真を通して表現したいものを分かりやすくするために、被写体や背景をどのように整理すればよいかを考えることです。この作業がきちんとできるようになると、表現したいものが明確になり、いわゆる”いい写真”を撮れる確率が格段に上がります。本記事では、写真初心者の方へ向けたおすすめの構図の考え方のプロセスや、作例を交えた代表的な構図の紹介までを記しています。
構図よりもまず初めに注意すべきこと
構図以前にとっても大事なことがあります。何かというと、特別な意図がない限り、写真の水平・垂直をとるということです。微妙に水平・垂直がずれているだけで、写真を見たときに違和感を覚え、そこに意識が集中してしまいます。カメラ内の水準器を使用してもいいでしょうし、カメラのホットシューにセットする別売りの水準器(こっちの方が正確)でもOKです。
また、あとでトリミングで調整するのも、もちろんOKです。
構図を考えるプロセス
さて、本題の構図の話に移りましょう。私のおすすめする構図の考え方のプロセスは以下の通りです。
- 水平・垂直だけを意識して写真を撮りまくる
- 撮影した写真の中で”いい写真”をピックアップ
- ”いい写真”の構図を分析し、次の撮影にフィードバック
このプロセスを見ると、ん?逆じゃない?と思う方もいるかもしれません。私自身も、写真を始めたころは、本屋さんで一眼レフ入門!みたいな本を買って、まず構図の勉強から始めました。でも、これがよくなかったと思います。本を読んだところで、自分の撮影ですぐに使いこなせるわけでもなく、かえって撮影時に頭を悩ませる原因になってしまいました。そんな経験もあり、私が提案するのが上のプロセスになります。
1.前述の通りですが、ここだけはしっかり意識して写真を撮りましょう。まずは構図のことは気にせずに、写真を通して、伝えたいことだけを明確にして、撮りたいように撮りまくります。単調な写真にならないように、いろんな角度から撮ってみたり、手前にものを配置して遠近感を出してみたり、いろんなパターンで撮影してみて下さい。デジタルカメラは何枚とっても、ただです。フィルム時代にはこうもいかなかったですが、とにかくアウトプットをたくさんしましょう。
2.撮影した写真の中で”いい写真”と自分なりに感じたものだけをピックアップします。この時も構図は意識する必要ありません。自分が直感的に”いい写真”と感じたものを選んでください。
3.ここが本記事で一番伝えたいところです。2.で自分が”いい写真”と思った理由を構図に当てはめて分析していきます。これについては次項で作例と合わせて説明します。なぜ”いい写真”と思ったのか、そこにはどんな構図が隠れているのか、自分自身がどんな構図で撮影された写真を”いい写真”と思う傾向にあるのかをきちんと分析することが重要です。ここで初めて、構図というものを意識して、次の撮影にフィードバックしていきます。自分自身がアウトプットしたものに対して分析し、構図を学んでいるので、本で勉強するより、次の撮影に応用しやすいわけです。私自身も撮影後の自己分析をきちんとやるようになってから、写真が上達したように感じています。
これらのフローに慣れてきたら、Instagramなどで他の方が撮った写真を分析し、自分の撮影に取り入れるのもおすすめです。
代表的な構図とその作例
まずは基本的な構図を6つ紹介しておきます。もちろんこれだけではありません。二分割構図もあれば、フィボナッチ構図、黄金比構図等、様々ありますが、今回はこの6つに絞りました。
それぞれの効果については、以下で具体的な作例を交えて紹介します。なお、一番オーソドックスな三分割構図についてはカメラのグリッド表示をONにすれば、構図を確認しながら撮影できるので、設定してみて下さい。”ご使用のカメラ グリッド表示”等で検索すれば、設定方法が出てくると思います。
それでは実際の私が撮影してきた写真を見ながら構図の分析をしていきます。なお、構図はあくまで目安であり、必ずしもぴったり合わせる必要はありません。また、一枚の写真に複数の基本的な構図が含まれることも多いので、その点をご留意頂き、分析してみて下さい。
こちらは、牧羊犬の銅像と天の川の写真です。主題となる牧羊犬の銅像を日の丸構図のように中央に配置し、天の川は対角構図を用いてダイナミックな星空を演出しました。これが真横だといまいち迫力に欠けてしまいます。
こちらは、アイスランドで撮影した滝の写真です。S字構図を用いて導線を表現しました。見る人の視点を誘導したいときに効果的な構図になります。
お次はニュージーランドで撮影した桟橋の先に立つ人を撮影した写真です。放射構図とも三角構図ともとらえられるかもしれません。被写体の人から桟橋のラインが放射上に伸びていることで、見る人の視線を自然に被写体に導くことができます。広角レンズを使うとこのような表現が簡単にできますのでお試しください。
お次もニュージーランドのクイーンズタウンで撮影した夜景写真です。三分割構図で左上の交点に象徴的な雪山を配置し、街の夜景の広がりを対角構図で表現しています。それにしても、クイーンズタウン、綺麗すぎます。
こちらは羽田空港から撮影した夕日と富士山です。三分割構図ですね。ちょっとずれてるけど細かいことは気にしなくてOKです。左右上の交点に富士山と夕日を配置しています。また、上部1/3を空、下部2/3を空港と飛行機といった具合に整理しています。
このように撮影後に構図の分析を実施することで、考えを整理でき、次の撮影時にフィードバックすることが出来ます。
おわりに
今回は写真初心者がつまずきがちな構図の考え方について、シェアしました。おすすめな方法なので是非お試しください。
この他にも、写真や旅行に関する記事を書いています。トップページにおすすめの記事をリスト化してますのでよろしければ是非覗いてみてください。また、右上にInstagram、You Tube、Twitterのリンクがありますのでよかったらチェックしてみて下さい。
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